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迫り来る気候変動の恐怖 ~地球温暖化が招く未曾有の危機~ 前編
「迫り来る気候変動の恐怖 〜地球温暖化が招く未曾有の危機〜 前編」
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◆過去に大絶滅を引き起こしている温暖化◆

 2億5000万年前、全生物種の90%が絶滅するという、地球の生命の歴史上最大の危機がありました。それは、地球温暖化がきっかけになったと考えられているのです。温暖化、そして気候変動を甘く見てはいけません。

※温暖化に疑問を持っておられる方は「地球温暖化懐疑論批判」(IR3S/TIGS叢書No.1)をかみ砕いた解説こちらをご覧下さい。

 「最近、どうも天気が変だ。」このように感じていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。しかし、1880年以降、地球の平均気温は、わずか0.8度上がっただけです。

1880年以降の平均気温の推移

NASAゴダード宇宙研究所 Webサイトより
 (左の目盛りは0.x)

700〜2100年までの気温変動(観測と予測)

出所)IPCC第4次評価報告書2007
  全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト
http://www.jccca.org/)より


 ところが、1980年から1999年までに比べ、21世紀末には、最高で6.4度も上昇すると考えられています。

 これだけ短期間に気温が上昇するとどうなるのか、様々な予想がされています。

◆放棄される都市が出てくる◆

 どんどん異常気象が激しくなって、例えば、風速100メートルの台風が発生するかもしれません。この風速は竜巻並みです。やわな木造住宅は根こそぎなくなります。

 実際、1996年4月10日オーストラリアのバロー島をおそった、台風に相当するサイクロン、名称「Olivia」は、最大瞬間風速113mを記録しました。

 あまりにも災害がひどく、また頻発するようになると、復旧が追いつかなくなるおそれがあります。

 2005年、ハリケーンカトリーナに襲われたニューオリンズは、人口が約48万人から半分になり、2011年の統計でも7割までしか戻っていません。

 今後は、復旧をあきらめ、放棄される都市や地域が出てくるかも知れません。

◆海面は最大72m上昇する◆

 また、海面も上昇します。
IPCCの予想では、2100年時点で、高くても59cmの上昇となっていますが、この予測の中には、重大な2つの要素が含まれていません。
 一つは炭素循環のフィードバック。気温が上昇することで、土壌に含まれる有機物が分解し、固定化されていたCO2が放出される現象です。
 もう一つは、力学的変化と呼ばれるものです。氷河、氷床の表面に水たまりができ、そこから地表に達する穴があいて、流れ込んだ水が地表を流れることで、その上の氷河、氷床の滑りが良くなって、海に流れ込む速度が加速する現象などを指します。

 これらは、どの程度、海面上昇を起こすのかよく分かっていなかったため、報告書の予測の数字には反映されていません。
しかし、最近の研究で、これらに、かなり大きな作用がある事が分かってきました。

 さらに、2009年になって、過去、寒い時期から温暖化する際、わずか50年で3mも海面が上昇した証拠が、メキシコで見つかりました。
今世紀中に数mの海面上昇が起きてもまったく不思議ではないのです。

 なお、今、二酸化炭素の排出をゼロにしても数千年、海面上昇は続くと考えられています。気温がかなり高い状態が長期間続き、もし、南極やグリーンランドの氷が全部溶ければ、海面は、72m上昇し、海沿いの平野は、ほぼ水没します。

◆酸欠を招く地球温暖化◆

 さらに怖いのは大陸棚に貯まっているメタンハイドレートという、メタンガスのシャーベットが温まって、自然に気化し始めることです メタンハイドレートの資源量は、今わかっている天然ガスの埋蔵量の数十倍とも言われています。上手く取り出して資源として使えればまだしも、それが自然に気化し始めた場合、気化すればますます気温が上昇し、気温が上がれば、ますます気化するという循環に入ってしまう可能性があります。

 実は絵空事ではなくて、過去に実際あったと考えられています。今から2億5000万年前、全生物種の90%以上、海の生物では96%が絶滅しました。地層に明らかな境界として残っていて、P/T境界と呼ばれています。

PT境界

岐阜大学 Webサイトより
(ジンらの2000年の研究にもとづく)

青い線が化石が見られる年代。
2億5千万年前を境に見られなくなる種が非常に多い。

 なぜ、このような大量絶滅が起こったのでしょうか。
この時期、熱いマントルが対流によって地表近くまで上がってきたと考えられています。(スーパープルーム)。

 その熱や、火山活動が活発化したことによる、二酸化炭素濃度の上昇によって、気温、水温が上昇して、メタンハイドレートの3割程度が気化したというのです。

 赤道付近で今より7度、極地付近で25度も気温が高くなったと考えられています。

 メタンは化学反応によって海水中や、大気中の酸素を奪います。地層を分析すると約1000万年の間、海も大気中も酸素の濃度が非常に低い状態になったことが分かっています。そのせいで大絶滅が起きたというのが、現在有力な仮説なのです。

 ちなみに、大気中の酸素濃度は10%台前半まで落ちたと考えられています。現在は21%です。個人差がありますが人間は18%以下になると 低酸素症になりますから、10%台前半というのはかなり厳しい状態です。

 過去に実際に大量絶滅が起きているわけですから、それが再現されないようにしないといけません。今の、二酸化炭素の大量排出による急速な温暖化が、メタンハイドレートの気化を引き起こすこと、これが怖いのです。

 実は、海底だけではなくて、シベリアなどの永久凍土にもメタンハイドレートはあります。それはもうドンドン溶けています。夏になると毎年シベリアで森林火災があちこちで発生しています。その原因の一つが、メタンが溶け出していることです。ですから、消しても消しても、あちこちで火事が起きるのです。

 火事になれば余計に永久凍土が溶けて、ますますメタンが噴き出すという悪循環がある意味、もう始まっています。

◆最近1万年の異常に安定した気候を基準に考えてはいけない◆

 でも、本当に怖いのは、実際には、どんな事態が起こるのか予想できないことです。

過去42万年のCO2、気温、メタンの変化

IGBP Science4より
過去42万年の二酸化炭素濃度、気温、メタン濃度の推移

過去15万年の気温の変化

日本財団Webサイトより
過去15万年の気温の変化。
ここ1万年の気温の安定がいかに異常かわかる

二酸化炭素濃度の推移

グローバルカーボンプロジェクトWebサイトより

 右のグラフは、過去42万年の、上から二酸化炭素、気温、メタンの 変化です。見事に連動していることがわかります。

 順番が違ったり、タイムラグがあったりはしますが、どれかが上がると他も上がり、どれかが下がると他も下がっているのです。

 ちなみに、今は氷河期です。南極や北極に氷河があるからです。地球の歴史上、3分の2の期間は、 どこにも氷河がありませんでした。

 間氷期という、氷河期の中でしばらく温かい時期が10万年に1回く らいあり、今もその時期なのです。

 とくに今回は、異常に気温が安定していて、しかも、長いため、人類は豊富な食糧に支えられ、文明を発展させることができました。

 それでも、放っておけばまた氷河期の中の寒い時期、氷期になるはずでした。

 ところが、人間のせいで急激に二酸化炭素が増加しました。ゆっくりの上昇ならあっても、これだけ短い期間に、こんなに二酸化炭素が増加したことは、少なくとも分かっている範囲ではありません。

 過去の例を見ると、二酸化炭素濃度が100ppm上昇すると、気温は12度上がっています。

 これまでのように、二酸化炭素の濃度に連動するなら、2100年までに、従来より、200〜700ppm上昇すると予想されていて、その先まだまだ上がる可能性があるのですから、タイムラグはあるにしても、数十度気温が上がっても不思議ではありません

 逆に、どこかで急反転して 氷期に突入するかもしれません。

※温暖化が引き金となる寒冷化のリスクについて

 少なくとも、ここ1万年異常に安定してきた気候を人間がアンバランスな状態にしはじめていることは確かです。

 地球にとっては普通の、気温が乱高下するような状態では、安定した食糧確保はのぞめません。気温が上がれば作物が多く取れるなどというのは机上の空論に過ぎません。今のように、多くの人間が高度な文明を保てる環境ではなくなる可能性は、かなりあると思います。

 ですから、私は、環境問題は、人類が生き残れるかどうかの危機管理の問題だと考えています。

 ではどうすればいいのでしょうか。これまでの大量生産・大量消費・大量廃棄のライフスタイルでは、温暖化が進み、自然災害が頻発して、食糧が不足しますから、人口は大幅に減少し、最悪の場合滅亡することになるでしょう。

◆知恵とテクノロジーで効率を追求する『エコ・ゴージャス』◆

 そこで、私は、良い方法がないか、必死になって考え、あるライフスタイルを思いつきました。そして、分かりやすく、『エコ・ゴージャス』と名付けました。

 これは、昔からの、あるいは、今も次々考え出されている知恵と、最新のテクノロジーを活かして、効率を上げ、省エネ・省資源など環境負荷を減らしながら、健康的に、金銭的にも精神的にも豊かに過ごすライフスタイルです。

◆快適さ、便利さを失わず環境負荷を減らす◆

 エコ・ゴージャスは、生活のあらゆる場面で活用できる考え方です。

 家電、車、給湯機器など、エネルギーを大量に消費するものについて、まずは、できるだけ使わない方法を考えます。

 ただし、単に、「テレビを見る時間を短くしましょう」「エアコンの設定温度を控えめにしましょう」「車を使わず歩きましょう」「シャワーを浴びる時間を短くしましょう」などと、我慢を強いるだけの対策ではありません

 知恵やテクノロジーを駆使して、できるだけ、快適さや便利さを失わず、環境への負荷を減らしていくのが、エコ・ゴージャスの考え方です。

◆自分もトクをし、環境にも優しい◆

 次に、やはり機器が必要だ、となると購入するわけですが、その時にも、単に販売価格で比較するのではなく、使い終わるまでの、トータルでのコストや環境負荷が、できるだけ少なくなるものを選ぶのが、エコ・ゴージャスの考え方です。

 ですから、自分もトクをし、環境にもやさしいというわけです。

◆機械まかせではなく、知恵を使う◆

 そして、いくら最新のテクノロジーを駆使した機種を購入しても、「省エネだから大丈夫」と、漫然と使ったのでは、かえって環境負荷が増えることにもなりかねません。

 知恵を使って、工夫して使いこなすことで、さらに環境への負担を減らすのが、エコ・ゴージャスの考え方です。

◆理念だけ、口だけ、言葉遊びではなく、実践こそ大事◆

 各地で環境関連の講演、シンポジウム、イベントが開かれていますが、理念だけ、口だけ、言葉遊びに終わっているものも少なくありません。市民レベルで地道に意識を変えていくことも確かに大切です。

 しかし、いくら「環境は大切にしなくちゃね。」と意識が変わったとしても、具体的に環境負荷を減らす行動に結びつかなければ、結果として、環境改善にはつながりません。極端な話、具体的に環境への負荷が減らないなら、人がたくさん移動した分、イベントを開くことでかえって環境を悪化させただけに終わります。
 環境イベント、講演会などを企画される方は、是非、集まることによって増える環境負荷より、参加者が実践した結果減る環境負荷の方が大きくなるよう考えていただきたいと思います。

 私は、講演会などで、実践派環境ジャーナリストとして、自分で実行したり、取材したりした体験や、データを、公開し、具体的な行動を呼びかけています。

 内容は、次のようなものです。

●緊迫度を増している地球温暖化、気候変動問題
●電力ピークを楽々乗り切る方法
●快適さをできるだけ失わずエアコンを使わない方法
●知らないと大損をするエアコンの買い方
●エアコンはこう使えば更に省エネ
●自分もトクする環境に優しい車の選び方
●燃費を3割削減するエコドライブ
●本物の省エネ・健康住宅
●自宅を太陽光発電所にして分かったこと
●シャワーヘッドで驚きの70%節水、省エネ
●蛍光灯vsLED
●無理なく待機電力を削減する方法
●保温と電子レンジどっちがトクか
●温水洗浄便座の98%節電法
●グリーンエネルギー大国への道
●地震、津波、原発の本当の危険性
●景気回復を活かす環境経営
●企業の将来を決める環境への姿勢

などなど。
 また、ちょっとした取り組みで、大きく環境への影響を減らせる、企業の環境対策、エコ製品・サービスの開発方法などもお話ししています。

◆誰でもできる『エコ・ゴージャス』◆

 エコ・ゴージャスの良いところは、まず、誰でもできることです。
 このような文章をここまで読んでいただいているあなたの様な方であれば、「環境のため我慢しましょう」と訴えても、やってくださるかもしれません。

 でも、世の中、そういう方ばかりではありません。環境にはまったく興味がない方も多いのが現実です。しかし、社会全体の環境負荷を減らしていくには、わずかな人だけが一所懸命頑張るより、多くの人が少しずつでも環境に優しい行動をとる方が効果が大きいのです。

 エコ・ゴージャスなら、環境負荷を減らすだけではなく、自分がトクをしたり、より健康に過ごすことができます。それならやってみようという気になる方が多いでしょう。エコ・ゴージャスは、エコライフを広めるのに適した考え方なのです。

◆経済成長と両立できる『エコ・ゴージャス』◆

 また、エコ・ゴージャスなら、経済成長と両立できます。

 エコ・ゴージャスは、性能や品質が良い物を長く使い、トータルでトクをする考え方ですから、安ければ何でも良いというデフレを招く考え方とは対極にあります。

 良い物を作れば売れるし、買った人もトクをするわけですから、エコ・ゴージャスは、生産者も消費者もWIN-WINの、経済発展が見込めるライフスタイルです。

◆同じ資源・エネルギーでより多くの人が豊かに◆

 さらに、エコ・ゴージャスなら、南北問題にも対応できます。

 これまで、先進国が大量の資源やエネルギーを使って豊かになったのに、発展途上国がこれから資源やエネルギーを使って豊かになろうとしても、環境問題を招くから使うなと言われてしまい、不満が渦巻いています。

 エコ・ゴージャスなら、効率が良いので、同じ資源・エネルギーで、より多くの人々が豊かに暮らせます。ゼロとはいきませんが、できるだけ環境負荷を増やさず、南北問題に対応することができるのです。

◆より多くの人に事の重大さ、回避する方法を伝えるために◆

 私は、このような地球温暖化の本当の怖さ、そして、それをできるだけ回避するエコ・ゴージャスの考え方について、できるだけ多くの方々に伝えていかなくければならないと決意しています。
それが、事の重大さに気付き、回避する方法を思いついた者の責任だと思っています。

 講演会、テレビ、インターネット、ラジオ、本、雑誌、音楽、芸術など、様々な機会、媒体を活用させていただきたいと思います。

 ここまでお読み下さったあなた。ありがとうございます。
もし、あなたが力を貸していただけるのであれば、ご一報下さい。よろしくお願いします。

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国が言う「健康に影響がない」を信じて良いか(2011年3月17日)

【提言】こうすればエネルギー危機を乗り切れる(2011年3月27日)

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