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vol.31 2002/08/2発行 ★自動車 燃料 ディーゼル車用★

 

 

   
   ◎メニュー◎  
   ▼自動車 燃料 ディーゼル車用
   ・硫黄を減らせ
   ・給油が始まっているバイオディーゼル燃料
   ・低硫黄軽油までのつなぎ役か軽質軽油
   ・天然ガス生まれのGTL軽油
   ・「きたい」のディーゼル燃料DME
   ▼あとがき
   
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   自動車 燃料 ディーゼル車用
   
     愛知県瀬戸市にお住まいの、くまいりえさんのリクエストにお答えして、
   「自動車」のテーマでお伝えしています。
    燃料編、今回はディーゼル車用です。
   
    ディーゼル車用燃料の場合、特に注意しなければならないのは、発ガン性
   物質の、DEP(ディーゼル排気微粒子)です。
   
    環境省によると、都市部では、道路沿いでなくても、多ければ、1000人に
   1人以上がDEPが原因で肺ガンになるおそれがあるということです。
   (http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=3194)
   
   ★硫黄を減らせ
   
    軽油に硫黄分が多く含まれていると、排ガスからDEPを取り除くフィルター
   (DPF)の働きが悪くなってしまいます。
   
    軽油の、現在の硫黄分に関する基準は、500ppm以下ですが、国は、2004年
   末から、50ppm以下に厳しくすることを検討中です。
   
    また、東京都は、「東京都環境確保条例」で、来年、2003年の10月以降、
   乗用車以外のディーゼル車で、新車登録から7年以上経過した車は、DPFをつ
   けなければ都内を走行できないと定めました。
   
    この動きには、千葉県、埼玉県、神奈川県も同調していて、同じような条
   例を制定しています。(神奈川県は議会で審議中)
   
    そのため、石油業界では、来年には、50ppm以下にした軽油の販売を一部地
   域で始めることにしています。
   
    DPFをつけていない、普通のディーゼル車でも、硫黄分の少ない軽油にする
   と、排ガスの有害な微粒子を5〜10%減らせます。
   
    しばらくは、硫黄分が少ない軽油と多い軽油の両方が売られることになり
   ます。
   
    ディーゼル車に乗っている人には、可能であれば、是非、硫黄分の少ない
   軽油を選んでほしいと思います。
   
   ★給油が始まっているバイオディーゼル燃料
   
    植物油のように、天然の再生産可能な原料から作られるディーゼル燃料を
   バイオディーゼル燃料といいます。
   
    実は、19世紀末、フランス生まれのルドルフ・ディーゼルがディーゼル・
   エンジンを発明した時、彼は、ピーナッツ油で動かしていました。
   
   つまり、ディーゼルエンジンは、もともと、植物油で動かすことを念頭に開
   発されたのです。
   
    植物を再生産する場合、燃やして二酸化炭素が出ても、その分、植物が成
   長する時に取り込むので大気中の二酸化炭素は増えない計算になります。
   
   もちろん、燃料の生産や運搬、植物の生産の時などに二酸化炭素は出るので
   ゼロとはいきませんが。
   
    また、バイオディーゼル燃料は、排ガスもクリーンで、硫黄酸化物などは少
   ししか出ません。
   粒子状物質も、軽油を使った場合の3分の1〜6分の1程度です。
   
    走行性、燃費とも、軽油並みということです。
   
    すでに、アメリカ、EUなどでは、バイオディーゼル燃料や、バイオディー
   ゼル燃料を混ぜた軽油が売られています。
   
    使用済みの食用油をリサイクルして作るバイオディーゼル燃料もあります。
   
    私は、食用油は、フィルターでこして、使い切ってしまうのが一番だと思
   っています。
   実際、我が家では、ここ数年食用油は捨てていません。
   
    しかし、飲食店などから大量に出る油を再利用することは意味があると思
   います。
   
    これまでも、一部は、飼料や肥料、石けんなどにリサイクルされていまし
   たが、環境負荷の大きい自動車に使用すれば、その分、軽油を使わなくて済
   むわけですから、二酸化炭素、有害物質の出る量を減らす意味で大きな意義
   があります。
   
    現在、使用済みの食用油をリサイクルした燃料は、バスやゴミ収集車など
   に使われる場合が多いのですが、いくつかのスタンドでは、一般の人でも給
   油してもらえます。
   
    長野県長野市の吉田興産のスタンドの内、県庁通りSSと、Iステーション昭
   和通り(http://www.yoshida-ks.co.jp/carlife_s/ssmap.html)では、バイオ
   ディーゼル燃料50%、軽油50%の燃料を85円で入れてもらえます。
   
    冬は、氷点下15度以下に冷え込んだ場合、シャーベット状になってしまう
   おそれがあるということで、軽油の割合を増やすそうです。
   
    滋賀県犬上郡豊郷町の油藤商事のスタンド(http://www.aburatou.co.jp/)
   では、バイオディーゼル燃料20%、軽油80%の燃料を85円で入れてもらえま
   す。
   
    東京都墨田区の染谷商店(http://www.vdf.co.jp/index.htm)では、モニタ
   ー会員(無料)になれば、バイオディーゼル燃料100%か、バイオディーゼル燃
   料10%、軽油90%の燃料を、どちらも80円で入れてもらえます。
   
    バイオディーゼル燃料は、国内で育てた植物を使えば、純国産の燃料とい
   うことになります。
   
    環境の面はもちろん、エネルギーの安全保障の面から見ても、有望な石油
   代替燃料の一つです。
   
   ★低硫黄軽油までのつなぎ役か軽質軽油
   
    軽質軽油は、普通より灯油の成分を多くした軽油で、寒い地方向けに、今
   までも作られていました。
   
    これを、DEPが、3〜4割程度減らせることから、都市部でも使う動きが出て
   います。
   
    ただし、今のところ、一部地域で、バスやゴミ収集車用に供給されている
   だけで、個別に対応しているため、コストがかかり、価格は、1リットルあた
   り、20円程度割高になっています。
   
    また、日本の場合、灯油にも一定の需要があるため、すべてを軽質軽油に
   するのは、需要の面などから難しいようです。
   
    都市部で使われるとしても、あくまで、低硫黄軽油、そして、それに対応
   した新しいディーゼル車が普及するまでのつなぎ役のようです。
   
   ★天然ガス生まれのGTL軽油
   
    GTLは、Gas To Liquidの略で、天然ガスを液化してできる軽油です。
   硫黄を含まず、DEPの元になる成分も少ないので、同じ車でも、この燃料にす
   れば有害物質が出る量を減らせます。
   
    今は、アメリカのカリフォルニア州などで、普通の軽油に混ぜて使われて
   います。
   
    日本では、まだ、どのような使われ方になるか分かりませんが、2005、6年
   ごろから、GTL軽油、又は、GTL混合軽油が市場に出てくるのではないかと見
   られています。
   
   ★「きたい」のディーゼル燃料DME
   
    DME(ジメチルエーテル)は、天然ガスや石炭などから作られるガス燃料です。
   
   LPGに似た性質を持っていて、普通の状態では気体ですが、6気圧程度の圧力
   をかけ、液体にして貯蔵します。
   着火性が良く、ディーゼルエンジンに使用できます。
   ただし、燃料タンクなどの変更が必要です。
   
    硫黄分はなく、粒子状物質をほとんど出さないなど、排ガスに含まれる有
   害物質を大幅に減らせるため、ディーゼル車をエコカーにできると期待され
   ています。
   
    すでに、スプレーなどには使われていますが、2006年ごろからディーゼル
   車用燃料として市場に出てくる可能性があります。
   
    みなさんも、「ほかにこんなものがある」「こんな技がある」といった情
   報がありましたら、お知らせください。
    また、「今度、これを買おうと思っているんだけど、どんなものがいいか
   な?」とか、「古くなって、捨てようと思っているものがあるんだけど、何
   かに使えるかな?」といった、リクエストもありましたら、どしどしお寄せ
   ください。
    優先してお調べいたします。
   
   →メール:eco@otomi.tv
   

 

講演


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   あとがき
   
    トヨタ・プリウスが、またマイナーチェンジをして、5人乗り燃費世界一の
   座をホンダ・シビックハイブリッドから奪い返すそうです。
   
    詳しくは、6日に予定されている記者会見で明らかになると思いますが、ス
   ピードを落とす時のエネルギーを電気として回収する、回生ブレーキの効率
   を高めるなどして、現在の1リットル29kmの燃費が、31kmに伸びるそうです。
   
    ホンダが、0.5km抜けば、今度はトヨタが1.5km抜き返す・・・と、今後の
   自動車業界を大きく左右する、エコカー開発のトップメーカーの座をかけた、
   ハイレベルな競争が激しさを増しています。
   
    こうした競争が、技術の進歩を加速するわけですから、ホンダには、是非、
   抜き返しをねらってほしいと思います。
   
    それから、ちょっと引き離され気味のほかのメーカーにも奮起を期待した
   い所です。
   
            インターネットeco放送局 otomi.tv 代表 富永秀一

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   お得で楽しいエコライフ小技集 vol.31
   ☆編集・発行 インターネットeco放送局 otomi.tv
   URL:    http://otomi.tv
   E-MAIL: eco@otomi.tv
   
   このメールマガジンの著作権は
   インターネットeco放送局otomi.tvに属します。
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