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vol.15 2002/04/12発行 ★床 その4(畳・日ごろの手入れ)★ |
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◎メニュー◎ ・床 その4(畳・日ごろの手入れ) ・あとがき
----▼------------------------------------------------------ 床 その4(畳・日ごろの手入れ)
“エコ技”、前回は、畳の選び方でしたが、今度は、手入れの方法です。 一口に畳の手入れと言っても、日ごろの注意、掃除の仕方から、裏返し、表 替えなど長期的なメンテナンスまで幅が広く、一度にまとめると膨大な量に なるため、二回に分けることにしました。 今回は、日ごろの手入れです。
直射日光は畳を変色させ、傷みを早めます。 レースのカーテンや、障子などで防ぎましょう。 ただし、日光を防ごうと、畳の上に、じゅうたんやウッドカーペットなど を敷くのは、カビやダニの大量発生を招くことがあるため、やめましょう。
ピアノなどの重いものを置くと、畳がへこんでしまいます。 できるだけ置かないようにしましょう。 どうしても置く場合は、脚の下に小さな板や脚受けを置きましょう。
湿度が60%を超えると、カビやダニが増えやすくなります。 2日以上晴天が続いたら窓を開け、雨の日や、その次の日など湿気の多い日は、 窓を閉めましょう。 換気の調節では不十分な場合、除湿器、エアコンの除湿機能を使うなどしま しょう。 和室内には、洗濯物を干さないようにし、湯沸かしポットや炊飯器も置かな いようにしましょう。
★掃除法
掃除機は、い草を傷めないよう、畳の目に沿ってゆっくり軽くかけます。 洗剤を使ったり、化学ぞうきんで畳を拭(ふ)くと畳の光沢がなくなり、 早く傷みます。 ふだんは、乾いたぞうきんで拭きます。 ぬれたぞうきんで畳を拭くと、畳が水分を含み、ダニやカビが増える原因に なります。 また、新しい畳表(たたみおもて)をぬれたぞうきんで拭くと、染め土が落ち て、むらになったり、退色が早くなります。 汚れてきたら、消毒用アルコールを布につけて、畳をまんべんなく拭きま す。 いずれも、畳の目に沿って拭きます。 ぬらしたぞうきんを使いたい場合は、湿度の低い晴れた日の昼間に、風通 しを良くしてから、固く絞って拭きます。 お湯でぬらせば早く乾きます。 よく、茶がらや、ぬらした新聞紙をまいてからほうきで掃くと良いと言わ れます。 これは、確かに畳の目に入ったほこりも取りやすいですし、掃除機を使うよ り、電気が不要な点は良いのですが、後で乾拭(からぶ)きをしなければ、 畳が水分を吸収してしまう可能性があるので、注意が必要です。
しょう油やコーヒーなどの液体をこぼしたら、直ちにふき取ります。 しみ込むとなかなか汚れが取れません。 こぼした量が多い場合は、そのまま拭くと汚れが広がってしまいます。 そこで、小麦粉やベビーパウダーなどを振りかけ、吸い取らせてから、掃除 機をかけ、最後に固く絞ったぞうきんでふき取ります。
★汚れ
それでも取れなければ、油分の場合はベンジン、食品などの場合は、酸素系 漂白剤か、水溶性汚れ用のシミ取り剤で取ります。
畳縁(たたみべり)が汚れたら、消しゴムでこすって落とします。 落ちなければ、古い歯ブラシなどに、住居用の洗剤をつけて叩(たた)きま す。 汚れが浮いてから、お湯に浸し固く絞ったぞうきんでふき取ります。
★米ぬか
汚れを落とした畳を、米ぬかを入れた袋で拭けば、油分が汚れをつきにく くし、ささくれも防ぎます。
★酢
畳表の退色を遅らせるには、2%程度、米酢を入れたぬるま湯にぞうきんを つけて、固く絞って拭きます。 後で乾拭きをします。 三杯酢など、砂糖が入っている物は避けましょう。
★カビ
畳、畳表を新しくして1年目は特にカビが生えやすいので、湿度の管理に気 をつけましょう。 カビが生えたら、まず、掃除機で吸い取り、ブラシで畳の目の中のカビを 出した後、もう一度掃除機で吸い取ります。 ただし、フィルターの目が細かいタイプでないと、部屋中にカビの胞子をま き散らすことになります。 そして、酸素系漂白剤か、消毒用アルコールを布にしみ込ませて丁寧にふき 取ります。 カビが生えたまま放置していると、そこだけ色が変わってしまうことがあ るので注意しましょう。
★へこみ
畳がへこんだら、熱い蒸しタオルやスチームアイロンなどで蒸らすとある 程度直せます。
★焦げ
タバコなどで焦がしてしまったら、カッターナイフの先などで削るか、オ キシドール(過酸化水素水)で漂白します。 穴は、ロウを垂らすか、木工用接着剤で固めます。 仕上げに、畳柄の補修テープを貼(は)ります。 なければ、当面、セロハンテープを貼って穴が広がらないようにします。
次回は、長期的な畳の手入れについてお伝えする予定です。
みなさんも、「ほかにこんなものがある」「こんな技がある」といった情 報がありましたら、お知らせください。 また、「今度、これを買おうと思っているんだけど、どんなものがいいか な?」とか、「古くなって、捨てようと思っているものがあるんだけど、何 かに使えるかな?」といった、リクエストもありましたら、どしどしお寄せ ください。 優先してお調べいたします。
→メール:eco@otomi.tv
----▼------------------------------------------------------ あとがき
畳は、言われなき迫害を受けて、随分減ってしまいました。 畳が、ダニの発生原因のように見られて、嫌われたりしましたが、悪いのは 畳ではないんですよね。 計画的な換気を伴わない高気密高断熱、下手をすると高気密低断熱的な住 宅が増えたのに、従来の、低気密低断熱の家とライフスタイルを変えなかっ たことが原因です。 そのため、家の中の湿気が逃げられなくなり、結露を起こしたり、ダニ、カ ビが発生したりしたわけです。 畳は、その優秀な吸湿性が災いして、ダニやカビの温床になってしまいまし た。 でも、畳を薬漬けにしたり、建材畳にしても、住まいの環境が改善されな ければ、他(ほか)で湧(わ)くだけの話です。 畳は、「これは、人間が健康に住める環境じゃないぞ!」ということを、身 をもって知らせてくれていたのです。 畳が長持ちする家なら、健康にもいいということも、言えるのではないでしょ うか。
インターネット放送局 otomi.tv 代表 富永秀一
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